νと申します、宜しくお願い致します。
今回は使っていて中々面白かったフリーザーの型を、自分なりの考察を交えて紹介してみたいと思います。
前置きが長くなりますが、ご了承ください。
※この育成論はHABCDS等の略称を使用しています。
【フリーザーって?】
初代準伝説ポケの一匹。
世代を重ねる毎に立場が厳しくなっている、そういった印象を受けるポケモンです。初期では猛威を奮っていたようですが…
周回プレイの所為でこの子の個体が有り余っている方も居られるのではないでしょうか。
【スペック】
・タイプ
氷/飛
・種族値
90 80 100 95 125 85 計580
・耐性
4/1 岩
2/1 炎 鋼 電
1/2 草 虫
0/1 地
準伝説なだけあって種族値は非常に高いですが、弱点の多さが気になりますね。
調整次第で意地っ張りガブの逆鱗や眼鏡ラティの流星群に繰り出せる数値を持ち、冷凍B、礫を一致で撃て、一貫性が非常に高い絶対零度を覚える等々単体としてのスペック自体は中々高いです。
これだけを見ると竜を任せつつ、絶対零度で圧力をかけていく構成が最もフリーザーに適しているかと思われます。ここに既に投稿されているオボンを持たせた型がこれにあたりますね。
しかしフリーザーはサブウェポンに多い炎、岩技に弱くステロを踏むだけでHPが半分削れ仕事の遂行が危うくなる等不安要素が目立ち、これだと同じく絶対零度や先制技を覚える零度スイクンの存在が気になります。
スイクンはサブウェポンで弱点を突かれる事が少ないので役割が安定していて、ステロを踏んでも機能しなくなる事はまずありません。
弱点が少ないので相手を選ばず、殴り合える範囲が広いので腐り辛く、不意の致命打を貰う事が少ないので零度の試行回数も安定して稼げます。
対面での殴り合いの強さや役割対象への安定性が重視されている今の環境で、どちらが優秀かは互いの採用率を見比べれば明白ですね。
以上の理由により対竜+絶対零度による圧力や強引な勝ち筋の確保を軸に据えた構成にしてしまうとフリーザーは零度スイクンと比べて採用理由で劣ってしまいます。
なので、フリーザーだけに出来る事を念頭に置いて型を考えていきます。
【型考察】
フリーザーがスイクンの完全劣化だという訳ではないです。
フリーザーはスイクンとは違い眼鏡ラティの流星群を繰り出しから受けれるHDの数値を持ち、タイプ上スイクンが苦手とする草タイプに耐性を持てる等の優位点があります。
なのでスイクンとの明確な差別化を計る為にもラティオスや草タイプへ強く出れるような構成にしたいですね。
そうなると、
フリーザー@オボン
穏やか
冷凍B/絶対零度/寝言/羽休めor礫
H244 B4 C4 D4 S252
196 90 121 116 160 137
という構成が考えられるのですが、はっきり言ってこのような不安要素の塊であるポケモンに役割を多く持たせても実戦では扱い辛いだろうという結論に至ってしまいます。数値も足りていませんし。
そもそも草タイプ最メジャーポケであるキノガッサやナットレイ等には致命打を貰ってしまう恐れがあり、尚且つこのポケモンでは遂行速度が遅いので相手の型によっては返り討ちにされかねないですしね。
このように竜への圧力を採用理由のメッカにした場合、零度スイクンに使い勝手でどうしても劣ってしまうので別の運用方法を考えてみます。
【型の決定】
そこで自分は絶対零度を高いスペックから放てる点に注目してみました。
一撃技による崩しを戦法として成り立たせるには一撃技の試行回数を稼げるスペックがある事が必須です。
フリーザーはどうかと言うと、低火力の特殊ポケモンを身代わりの起点に出来る高いHDの数値と安定した再生回復技を持ち、スカーフや先制の爪に頼らなくとも安定して試行回数を稼ぐ事が可能なので、上記の水準をクリアしていると言えます。
フリーザーのスペックを生かす為に絶対零度の試行回数を稼いで強引な崩しを狙う事をコンセプトにして型を考えていきます。
【零度スイクンとの差別化】
この時点だと、技構成と持ち物はノイコウのような
身代わり/守る/絶対零度/自由枠@残飯
仮想的は特殊低火力ポケモン(クレセ等の耐久ポケ)に定めたノイーザーという型が考えられますが、これだと零度スイクンでも同じ事が可能なので差別化が必要になります。
ここでフリーザーのタイプに注目してみます。
フリーザーはスイクンとは違い草タイプ(キノガッサ、ユキノオー、フシギバナ、モロバレル等)に繰り出す事が出来て、相手によっては身代わりの起点にする事が可能です。
S85族なので最速ガッサ(バナ)を抜いて上から圧力をかける事も出来ます。
これは零度スイクンには無い大きなメリットなので、フリーザーでやる価値(使う理由)を見出す為にもこの点を生かして配分や技構成を決めていきます。
【持ち物、技構成】
確定枠は、
フリーザー@ラム
絶対零度/身代わり/候補技/候補技
となります。
持ち物や確定技の採用理由や、候補技について解説していきます。
・ラムのみ
零度スイクンとの差別化を図る為に草タイプに積極的に繰り出していくのですが、草タイプは胞子等の厄介な補助技を持っている事が多いので仮想的に定めるとなると安定して繰り出せるように持ち物は食べ残しよりもラムを優先したくなります。
なので持ち物はラムで確定となります。
耐久ポケの電磁波毒々の採用率は高く、ラム身代わりが決まりやすいので腐る事は少ないでしょう。
・絶対零度、身代わり
この育成論のコンセプトになる絶対零度は確定です。この技がないと型が成り立ちません。
身代わりは有利対面での流し際に置いたり、低火力の耐久ポケの攻撃技を身代わりが耐える事により安定行動を確保するのに役立ちます。
絶対零度の試行回数を確保する為にも非常に重要な技になるのでこちらも確定技となります。
以下は候補技になります。
・羽休め
受けループ等の低火力が集まるPTに出していく関係上消耗戦になりやすいので、安定した回復ソースであるこの技はなるべく採用したいです。
準確定技ですが、使ってみて不要だなと感じた方はこの技を攻撃技に変えるのもアリだと思います。
・冷凍ビーム
安定した攻撃技ですね。
竜や草に抜群で通り、絶対零度が通らないエアームドにも等倍で通るので非常にマッチしています。
穏やかの場合は確定数を確保する為に吹雪も候補に挙がりますが、命中率が気になるのでこの技が安定します。
・暴風
ハッサムに等倍で入り、ローブシン等の格闘を遂行出来る便利な技ですが、命中率が気になりますね。
またこの型では格闘に繰り出す事を想定しておらず、偶発対峙でしか撃たないだろうと思われるので優先度は低いです。
鋼やバンギ等を呼ぶのでこの技の一貫性が低くなるのも辛い所です。
【配分】
二通り載せます
・控えめ配分(確定欄はこれ)
フリーザー@ラム
控えめ
H156 B68 C44 D4 S236
185 × 129 133 146 135
C-
・冷B
153-94キノガッサを15/16で一発
221-124モロバレルをヘドロ込みでほぼ確2
187-146フシギバナ(ヘドロ込みで眼鏡グドラの雨ポンプ耐え)までほぼ確2
171-91エアームドを中乱2
ガブリアス、ボーマンダ以外のドラゴンは一撃では倒せません。
・暴風
209-86ローブシンまで確1
175-101ハッサムが確2
H-B
A151キノガッサのローキックを身代わりが15/16で耐える
A124ナットレイのパワーウィップを身代わりが耐える
A101ムドーのドリル嘴を身代わりが耐える
A200鉢巻ガブリアスの逆鱗を15/16耐え
H-D
C121ヤドランの熱湯を身代わりが確定で耐える
C105モロバレルのめざ炎を身代わりが15/16で耐える
C158ユキノオーの吹雪を確定2耐え
S-
最速キノガッサ抜き
・穏やか配分
H252 B4 C4 D4 S244
197 × 121 116 160 136
C-
・冷B
135-81キノガッサを確1
・吹雪
172-91エアームドを確2
・暴風
183-86ローブシンを確1
H-B
A151キノガッサのローキックを身代わりが15/16で耐える
A200鉢巻ガブリアスの逆鱗を15/16耐え
H-D
C121ヤドランの波乗りを身代わりが15/16で耐える
C121フシギバナのめざ炎を身代わりが15/16で耐える
C194眼鏡サザンドラの大文字を15/16耐え
・配分の意図
H-
身代わりのHPを考えると極振りしたいのですが、控えめの方は他との兼ね合いを考慮してこの数値で妥協しました。
穏やかの方は努力値に余裕があったので極振りしています。
C-
控えめの方はテンプレガッサを15/16で倒せるように設定しています。出来れば確定で倒したいのですが努力値が足りませんでした。
ムドーに対しても氷技が通るので基本的に有利です。
竜に対しては数値が足りていませんが、立ち回りの関係上打ち合う事は少ないので諦めました。
H-B
鉢巻ガブの逆鱗やガッサのローキックを身代わりが高乱数で耐えるように設定しています。
タイプ上ガッサに繰り出す事が出来て、尚且つ竜に有効な打点を持つのでこれ位の物理耐久は確保したいですね。
H-D
穏やかでD160まで確保している理由はバナのめざ炎で身代わりを割られ、眠り粉とめざ炎の択ゲーに持ち込まれるのを防ぐ為です。ここまで振れば大抵の低火力相手に身代わりを残す事が出来て、数値受けとしても機能しますね。
S-
フシギバナは最速ガッサ抜きの個体も居るので、それを抜く為にSを余分に振っています。
受けループの177-179-135のグライやSをガッサ抜きまで妥協しているドランに対しても絶対零度でワンチャンを持てるので振っておいて損はないかと思われます。
控えめの方は努力値が足りなかったので最速ガッサ抜きで妥協しました。
PT全体でキノガッサ等の遂行を早めたい場合は控えめの配分、そうでない場合は身代わりの起点に出来る相手が増える穏やかの配分を奨めます。
【運用方法】
採用理由は催眠対策、耐久潰し、一部の特殊受け、竜への誤魔化し等といった所ですかね。
基本的に身代わりの起点に出来るポケモンや、絶対零度の試行回数が稼げそうなPTに刺していきます。
身代わりの起点に出来るポケモンは、催眠技を持つ草タイプや、ヤドラン、クレセリア等の低火力な耐久ポケモン等々。ラッキー軸の受けループなんかにはよく刺さります。
立ち回りは、有利なポケモンに繰り出し相手が退きそうor身代わりが相手の攻撃を耐えそうな場合は身代わり、そうでない場合は絶対零度をぶっぱなすか冷B等で遂行してください。これが基本的な動かし方になります。
上手く立ち回れば相手のフリーザーを見るポケモンが零度で落ちて相手のサイクルが崩壊します。
出せる試合は少なくなりがちですが、フリーザー自体が範囲の狭いポケモンなので割りきりましょう。
【一撃技使いとの比較】
最後に一撃技をメインに据えているポケモンとの比較をしてして〆ておきます。
・フリージオ
実は似たような事がフリージオでも出来ますが、草耐性の有無やスカーフ物理竜や先制技で簡単に砕かれるこのポケモンと比べてフリーザーは耐久がしっかりしているので差別化の必要はないかと思われます。
・トドゼルガ
雪トドとして有名ですね。
非天候下での性能がまるで違うので差別化の必要は無いでしょう。
・グライオン
個人的に一撃技使いといえばトドよりもこいつの印象が強いです。
こちらは砂や物理に強いですが、フリーザーは特殊寄りのポケモンに対して安定して零度の試行回数を稼げます。
サマヨール辺りに無効化されないのも嬉しいです。
【後書き】
育成論はここまでです。
フリーザー…スペックは悪くないんですけどねえ…
レートでも使えるように考えたつもりですが、絶対零度という不安定な技に頼る以上フリーでの使用に留めておいた方が無難かと思われます。
相方は相性補完が上手く出来ているガブリアスや、身代わりドラン等に強いスイクンがお奨めです。
久し振りに育成論を執筆したのでおかしな点があるかと思いますが、お手柔らかにご指摘をお願いします。