今回はトリプルバトルの育成論です。
トリプルバトルのヌケニンについて考察していきたいと思っています。
- ヌケニンについて
ご存知の通り、特性が『不思議な守り』ということで、好きな人は本当に好きなポケモンでしょう。
斯く言う私も大好きで、ヌケニン絡みのパーティは事あるごとに考察した気がします。
前作の見解から行けば雨パ対策が主な役割…といいたいところですが、強力な飛行タイプの増加,ナットレイの出現等で安定しているとは言い難く、そもそも砂,霰の普及が顕著なこと、弱点属性にそれぞれ強力なポケモンが出現したこと等逆風が激しいポケモンです。
ヌケニンの弱点を突くことができる技は、「岩雪崩等の岩技」「熱風等の炎技」「アクロバット等の飛行技」「シャドーボール等の霊技」「噛み砕く等の悪技」と、どれも使用率の高い技ばかりなのでパーティに1~3体はヌケニンを処理出来るポケモンがいることになります。そういった事からもヌケニンは非常に安定感が無く、扱いが厳しいとされています。
しかし、特性自体は非常に強力ですので完全に腐ったわけではなく、単に相性,弱点補完として採用されなくなったということですね。
運用する場合はヌケニンを軸に用いる特殊なパーティでの採用となります。
まずコンボでは、「頑丈ヌケニン」「不思議な守りミカルゲorヤミラミ」のようなコンボパーティが有名ですね。
ヌケニン+ゾロアークの2匹は両者の相性もさることながら、相手に強烈な読みを強いる組み合わせで性質が悪いです。
そして、ヌケニンの性能を最も活かせる組み合わせとして、ヌケニン+ソーナンスがあります。ナンスでキャッチしてヌケニンで詰ませます。
今回は実用的だと思われるヌケニン+ゴルダック+ソーナンスを中心に考察したいと思います。
- 配分
・性格:さみしがり
・個体値:×-31-0-×-21-31
・努力値:0-252-0-0-4-252
・実数値:1-156-45-×-46-92
・H…1
・B&D…ダウンロード対策+変身対策
・S…4振り70族抜き
・A…全振り
攻撃に補正を掛け処理速度を速めることで、メタや不確定要素を回避しやすくします。
A振りのメリットとして一番分かりやすいのは無振りラティを確2→乱1や、187-90ルンパッパをシザクロ+影撃ちで確定等でしょうか?
B&Dについてですが、99%いないと思われますがダウンロードを意識しています。また、実数値を極力下げているのはこれまた遭遇率は低いですが変身後の相手ポケモンを処理の際、より多くのダメージを与えるためです。
変身使用後は、HP実数値は変化せず、その他の能力や技,特性等をコピーするという仕様がありますので。
基本的にはA,Sしか使いませんので気にしなくてもいいですが、気になる方は微調整されてみてはいかがでしょうか。
・性格:せっかち
・個体値:×-31-0-×-21-31
・努力値:0-252-0-0-4-252
・実数値:1-142-45-×-46-101
・H…1
・B&D…ダウンロード対策+変身対策
・S…無振り80族抜き
・A…全振り
素早さに補正を賭けることで抜ける範囲を広げ、行動回数を確保します。行動の際は常に危険と背中合わせなので、速いに越したことは無いですね。
個人的にはメリットを余り感じない (この付近のメジャーなSラインは準速バンギラス抜きの114 101と92の間には抜けるポケモンが少ない)のですが、好みの問題だと思います。
- 技考察
・シザークロス
メインウエポン。
宿木を持つ可能性がある草,パーティの核であることが多い超タイプ,抜群を取られる悪タイプに抜群が取れ、キュウコン以外の天候変化ポケや電気タイプなどに等倍が取れます。なんで電気タイプが出てくるのかというと、「水浸し」で弱点が変わったときに抜群をとられるのは草,電気技となるからですね。
・影撃ち
タイプ一致の先制技。もしかしたらこっちがメインウエポン。
霊超に抜群を取れるものの、ドータクン,メタグロスには等倍で入ってしまうのが残念なところ。
剣の舞を積んだ後は、メインウエポンとして扱うことが出来ます。
・守る
耐久,素早さ,狙われやすさ等もさることながら、飛行技や悪の波動は対角線上の相手にも当たるという仕様のためどこからでも弱点技が飛んでくるという怖い状況。できる限りいれたいです。
・堪える
1ターンの間、無敵になります。技スペの関係上、守るとの選択です。
コンボの際、相方がヌケニンに何かをするという行動が多いのですが、その際の安定択となります。
守ると違い補助技には効果が無いのが残念ですが、そのおかげで味方の技を防がず受けることができます。
・剣の舞
ヌケニンの基本戦術は詰ませることです。
詰んだ状況で積んでいって影撃ちで全抜きするのが究極の理想です。
どうやって詰んだ状況を作るかといえば、コンボとか、ソーナンスとかを使います。
覚えさせるには第4世代が必要になります。
・日本晴れ
砂,霰ダメから身を守るための天候変化技として一番危険が無い日本晴れの採用をお勧めします。ゴルダックと組ませることが前提となっている場合はアンチシナジーなので優先度は下がりますが、そうじゃない場合は準確定レベル。
日本晴れがあれば雨パ相手にもいやらしく立ち回ることができます。しかし「宿木の種」「熱風」「滅びの歌」「不意打ち」「鉄のトゲ」etc.と、一昔のように入れておけば完封なんてことはありえないほどメタ要素が増えたので注意が必要です。
・どくどく&鬼火
ダメージソースになるかもしれない。それだけ
- 持ち物
・気合の襷
ほぼ確定です。
襷を貫通するのは、
・ロックブラスト
・マグマストーム
・天候&状態異常ダメ(威張るの自傷は襷発動)
・宿木の種ダメ
・ステロダメ
・鉄のトゲ,鮫肌等の特性ダメ
基本、攻撃技以外は襷は発動しないので気をつけてください。
・ラムの実
状態異常を回復できます。
襷と違って効果が及ぶ対象が少なく、神秘の守りやらなんやらで対応できるので微妙です。
- 特性
不思議の守りについて説明します。
まず、効果についてですが、
効果抜群以外のタイプの攻撃技を無効にする。補助技,タイプを持たない技(悪あがきetc.)には効果が無い。
です。
毒々や挑発等に代表される補助技は普通に受けますのでご注意ください。逆を言えば、しっかりと補助技の効果を受けるので、ヌケニンを軸にしたコンボ等も可能になります。
また、味方の全体技も受け付けないので、それらと組み合わせて使うのもいいでしょう。
次に仕様についてですが、
仕様として、スキルスワップ,なりきりは受け付けない。トレース,悩みの種,仲間作り,シンプルビーム,胃液,ミイラの効果は受ける。
何らかの影響で特性が移された場合、そのポケモンにも同様の効果を及ぼす。また、何らかの影響から途中でタイプが変わった場合、変更後のタイプに準ずる。
となっています。
使用率の高いスキルスワップに耐性があるのは評価ができますね。
また、以上の仕様の範疇であればいじくる事も可能ですので、いくつかのコンボも開発されています。
- 使い方
基本的に特性だけが取り柄のポケモンです。火力が無いので、有利な状況だからといって繰り出しても交代されて無意味なターンを過ごすだけです。
それを防ぐために、基本はヌケニンを倒せるポケモンを取り巻きで処理した後での運用となります。ソーナンスで擬似的にそのような状況を作り出すのもよいでしょう。
トリプルでは選出段階での牽制,縛りという使い方ができないので、あまり刺さっていないと思われるパーティにもヌケニンを選出する必要があります。逆を言えば、ヌケニンで完封できるポケモンも必ず選出されるのでいかにそれらとヌケニンが対峙している状況を作るかということが求められます。
- 相性のいいポケモン
・ソーナンス
特性により、ヌケニンの苦手なポケモンを確実に処理できたり、ヌケニンの得意なポケモンをキャッチしてヌケニンで積んでいけるようにしたりします。
アンコールや神秘の守りで微力ながらもヌケニンの補助ができる点も優秀な点の一つですね。
ソーナンス入りで多用される「アンコール」+「金縛り」や、「アンコール」+「挑発」コンボ(相手は悪あがき固定になる)ですが、悪あがきは不思議な守りを貫通するので注意が必要です。
・ゴルダック
特性ノー天気でヌケニンを天候ダメージから守ります。
覚える技もシナジーが強く、「水浸し」をヌケニンに打てば弱点が変更,減少し、「金縛り」とヌケニンの「守る」を組み合わせて弱点技をロックでき、「アンコール」で猫だまし,補助技を縛り…等。「悩みの種」でコンボ始動も行えます。
水浸し補助という点だけで見れば、避雷針を持つアズマオウも優秀。
・格闘タイプ
カポエラーは猫だましやワイドガードでヌケニンを守ったり、インファイト,不意打ちでバンギ,ドリュ,テラキ,サザン,シャンデラといった苦手なポケモンを倒したりできて優秀。低種族値が増えるヌケニン入りのパーティでは威嚇も頼もしい。
ルカリオは猫だまし無効のこの指とまれ使いで、単体攻撃からヌケニンを確実に守ることができる。インファイトor波動弾や噛み砕くor悪の波動でシャンデラの苦手なポケモンの処理もできる。HS命がけもあり。
・ドラゴンタイプ
高火力の流星群でヌケニンの苦手なポケモンを倒すことが出来る。
特にこちらは、水浸し後のヌケニンの弱点を突くことができる電気,草タイプの技を持つポケモンへの流星群の一環は非常に高く、サザンドラならシャンデラ,ブルンゲル、ガブリアスならバンギラス等にも対応できる。
・ゾロアーク
ゾロアーク+ヌケニンという組み合わせが相手に与える圧力は無限大。
安定感という言葉とは無縁の2体を組み込めば、究極の択ゲーを仕掛けることができます。楽しいです。シャンデラ,ブルンゲルを文字通り不意打ちで落とすことができるのも長所。
ゾロアーク+ソーナンスで特定の技をアンコールで縛ったり、挑発+アンコールで悪あがき固定をするのもなかなか実践的。
- パーティ考察
ヌケ,ダック,ナンスについて。
この組み合わせは最終的にヌケニンで詰ませる形のパーティを組む際の必須メンバーです。コンセプトのヌケニン、キャッチのためのソーナンス、不安要素を取り除くゴルダックの並びが不可欠なのでトリプルバトル専用の戦術と言えます。
このように書くとヌケニンが主体のパーティみたいに見えますが、根本的にはソーナンススタンに強烈な完封性能を持つヌケニンを組み込んだパーティといった感じですね。
基本戦術は初手で攻撃範囲や潰し性能の高い2体+ソーナンスを出し、ソーナンスで相手をキャッチ、ヌケニンに有効打を持つポケモンを逃さず処理します。(素の状態、水浸し状態どちらでも可)駆逐した後は、ヌケニンを出して相手を詰ませると言う感じです。
また、ソーナンスと組み合わせれば、序~中盤でもヌケニンが自由に行動できる状況を作ることができるので、その場合は剣の舞などを積極的に積み、影撃ちで半無双状態まで持っていくことができます。
ヌケニンを処理出来るポケモンとして有名どころをあげれば、「バンギラス」「シャンデラ」「トゲキッス」「ドリュウズ」「クロバット」「サザンドラ」「トルネロス」「テラキオン」「キュウコン」「ブルンゲル」
サブウエポンに採用されやすい岩雪崩やアクロバットも考慮すればもうちょっといますがこれぐらいですね。その他、宿木,状態異常,滅び,天候などにも気をかける必要があります。
これらの処理を確実に行なえるかがパーティの勝敗を左右します。
悪,岩タイプに強い格闘タイプや、飛行,炎に抜群を取れる岩タイプ、一貫しやすい水,竜タイプを組み込むことで迅速に処理出来るようにしたいですね。
ゴルダックの仕事は、天候ダメ無効化,岩炎の処理,水浸しによる弱点の変更等です。地味ですが、これがないとヌケニンは安心して動くことができないので必須パーツです。
水浸し後のヌケニンの天敵となるのは「モロバレル」「ユキノオー」「ルンパッパ」「チェリム」「ナットレイ」「ロトム(水,氷)」「サンダー」位しかおらず、非常に処理が難しくなります。
この3体+ヌケニンの苦手なポケモンを処理できる3体という条件ではどう足掻いても低種族値が固まります。急所,追加効果等の不確定要素を引くと崩されやすいので注意が必要です。
ここまで見ていただきありがとうございます。
コメント欄を有効活用し、育成論の向上につなげたいので多くのコメントをお待ちしています。
分かりにくい点や不備がありましたら、コメント欄での報告をお願いします。
- おまけ(コンボ紹介)
- 頑丈ヌケニン
ヌケニンを使った有名コンボ其の一
簡単に説明すると、何らかの方法でヌケニンの特性を頑丈にすると、どんな技を受けてもHPが一向に減らないよ!!ってパーティです。
用意するのは、
・ヌケニン
・頑丈ポケモン
・コンボ始動ポケモン
となります。
コンボ始動ポケモンは、
・「スキルスワップ」ポケ+「悩みの種」or「仲間作り」or「シンプルビーム」or「胃液」ポケ
・「なりきり」&「仲間作り」ドーブル
・「スキルスワップ」&「仲間作り」ドーブルorチリーン
・「ものまね」頑丈ポケモン
の4種類です。
上から順に安定性がありますね。
- コンボの流れ
1. 『頑丈』をスキルスワップ(なりきり)で手に入れる
2. 『頑丈』をヌケニンに渡す(スキスワor仲間作り) ※1 ※2
です。「ものまね」を使う場合は『不思議な守り+ヤミラミorミカルゲ』の紹介を参考にしてください。
※1:当たり前ですが、ヌケニンが場に出ていないとコンボ始動ができません。
※2:頑丈を渡す際、仲間作りの場合はそのまま渡すことが可能ですが、スキルスワップは効果が無いので一度不思議な守りを消す必要があります。
- 優秀な頑丈ポケモン
・エアームド:追い風 ものまね 日本晴れ
・アバゴーラorトリデプス:ワイドガード
- 優秀なコンボ始動ポケモン
・ドーブル:なりきり 仲間作り スキルスワップ 全ての技
・ネイティオ:スキルスワップ 追い風/トリル マジックガード メール
・ハピナス:スキルスワップ 高耐久 神秘の守り メール
・エアームド:頑丈 ものまね 追い風 メール
・ゴルダック:悩みの種 ノーテンキ アンコール 金縛り
・エルフーン:悩みの種 悪戯心 挑発 神秘の守り アンコール 日本晴れ 追い風/トリル
・猫だまし持ち
・トゲキッス:この指とまれ お先にどうぞ アンコール トリック 竜巻 エアスラッシュ
・ルカリオ:この指とまれ 精神力 命がけ
- 弱点
・挑発,トリック等、コンボ潰し
・スキルスワップ
・滅びの歌,呪い等の居座りメタ
・集中攻撃でパーツを失う
・攻撃技に対しては無敵だが、その他は普通に食らう
- 不思議な守り+ヤミラミorミカルゲ
ヌケニンを使った有名なコンボ其の二
同じく簡単に説明すれば、ヌケニンが「仲間作り」を「ものまね」した後、「仲間作り」でヤミラミ,ミカルゲという弱点の無いポケモンに『不思議な守り』を移植するコンボです。
用意するのは、
・「ものまね」ヌケニン
・ヤミラミorミカルゲ
・仲間作りを覚えたポケモン
となります。
ヌケニン+ミカルゲのコンボにはミラータイプを使ってヌケニンの弱点を無くすコンボもありますね。仲間作りと違ってミラータイプ役が安定しているというメリットがあります。
- コンボの流れ
1. 仲間作りを撃つ→ヌケニンが「ものまね」※1
2. 『不思議な守り』をヌケニンが仲間作りする※2
※1:仲間作り→ものまねとなるように素早さを調整する必要がある
※2:当たり前ですが、ヤミラミorミカルゲが場に出ていなければコンボが始動できません
- ヤミラミとミカルゲの比較
・ヤミラミ:悪戯心 猫だまし ナイトヘッド
・ミカルゲ:高種族値 封印
- 優秀なコンボ始動ポケモン
・ミミロップ:仲間作り 不器用 アンコール すり替え お先にどうぞ バトンタッチ
・アイアント:仲間作り 張り切り バトンタッチ
・猫だまし持ち
・エルフーン:悪戯心 挑発 神秘の守り アンコール 日本晴れ
・トゲキッス:この指とまれ お先にどうぞ アンコール トリック 竜巻 エアスラッシュ
・ルカリオ:この指とまれ 精神力 命がけ
- 弱点
・挑発,トリック等、コンボ潰し
・滅びの歌,呪い等の居座りメタ
・集中攻撃でパーツを失う
・ヌケニンが2ターン動く必要があり、成功率が低い