今回ASベースの鉢巻カイリューを考察していきます。
- 前置き
HABCDSの略称を使用し、個体値は双方理想個体を前提とします。
ダメージ計算はトレーナー天国様の計算機を使用しております。
- カイリュー
言わずと知れたハイスペックポケで、常に環境上位に位置します。
今回はそのカイリューをASベースの鉢巻型を考察していきます。
- 耐久ベース鉢巻との違い
既に耐久ベースの鉢巻カイリューの育成論が投稿されていますが、ASベースとそれらは根本的に鉢巻を持たせる意味合いが違います。
耐久ベースは主に削ったAを補うために鉢巻を持たせるのに対し、ASベースは上から相手を潰すのがメインで最大火力を確保するために鉢巻を持たせます。
耐久ベースも魅力的ですが、マルスケありきの調整のため砂霰ダメなどで簡単に崩れてしまい腐ってしまうことも多いです。
AS鉢巻はガブラティ、グドラ、ノオ狩りを切る代わりにそれ以外の中速ポケへ厚くした型とお考えください。
Sが高い分マルスケが潰れても動きやすく逆鱗が打ちやすいのがメリットですね。
ガブリアスとはマルスケで調整ボルトロスなどのめざ氷に強い点、神速の有無などで差別化できてます。
- 型詳細
特性:マルチスケイル
持ち物:拘り鉢巻
性格:陽気
努力値:4-252-0-×-0-252
実数値:167-186-115-×-120-145
技構成:逆鱗/瓦割or地震/炎のパンチ/神速
Aに補正を掛けていないので火力確保のため極振り、こうすることでH252ヒードランを逆鱗で残飯2回込み確3圏内に入れることができます。
Sは極振りして最速ヒードラン抜き*3、143ロトム抜き*2となっています。
S244振りでこの調整は達成されますがキッスやシャンデラ、勝てるかどうかは別としてマンムーなどの同族を意識してぶっぱとなっています。
Hに4振ることにより実数値が8n-1となっており、火傷ダメが最少になっています。
性格が陽気では、上で述べた最大火力確保と矛盾しているのではと思う人もいると思いますが、Sに補正を掛け最速にしたのは主に下の最速ガッサやその周辺を見ています。
Sをガッサ抜きまでしか振っていないサンダーやウルガモス、ギャラドス、またニョロトノなどを上から殴れるのでこの型では陽気確定です。Sをそれ以下に妥協するならば準速バンギ抜きまで落として耐久に振った方がいいです。
技は逆鱗神速は確定、再生回復を持つハッサムやエアームド、接触ダメを受けるナットレイを意識したいため炎のパンチもほぼ確定。
確定欄が瓦割で地震が選択となっているのは、バンギを安定処理できる、ヒードラン、ナットレイの後だしを許さない、呼ぶ敵に等倍以上で入りやすい、結論打ちやすいので確定欄に入れています。
- 立ち回り
カイリューは基本的に蜻蛉ルチェン以外ではサイクル参加できないポケモンなので、構築段階からカイリューを軸にしたパーティを組むことになります。
基本的にハッサムなどある程度カイリューを繰り出しやすくするポケモンを入れて、後は展開重視の構築にするのがお勧めですね。
この型は俗に言う半エース仕様なので、場合によって自ら逆鱗や神速で抜きに行ったり、使い捨てて後続の起点にしたりと立ち回りの幅が広く使いやすいです。
他のどの型よりもマルスケに依存しないのでいざという時の後だしのリスクも少ないです。
話が逸れましたが、上で述べた二つの役割のどちらを重視するかによって当然立ち回りも変わってきます。
まずこいつ自身をエースとして運用する場合、中終盤にかけてハッサムの蜻蛉返りなどで無償降臨を稼ぎ、サブウェポンで負担をかけていきます。
こいつ自身や味方で鋼を処理した後、再度場に出し逆鱗や神速で抜きを狙っていきます。
そしてエース補助として選出した場合、基本的に先発が安定します。
相手は竜受けの要である鋼を先発に出すことは少ないので、基本的に鉢巻逆鱗が等倍以上で入ります。
自分より早い竜相手や襷マンムーパルシェン等からは引かざるを得ませんが、それ以外とのタイマン性能はかなり高く、受け出ししてきた鋼への負担も中々大きいです。
ただムドやナットレイには気をつけてください、繰り出されただけでマルスケが潰れますしステロや電磁波を撒かれて不利になってしまいます。
また鋼と鉢合わせた時むやみにサブウェポンを打つのは相手の後続の起点になる可能性があるのでお勧めしません、相手のパーティを良く考えて技を打ちましょう。
相手の鋼枠がそれ以外なら逆鱗も打ちやすいですし、使い捨てるつもりで強気に攻めていけます。
相手は、鋼へ交換→竜舞→サブウェポンという負け筋があるので受け出ししづらく、出すにしても逆鱗を見てからか死に出しが多いのでそこまで鋼の繰り出しに神経質になることもありません。
なので、捨てるつもりで逆鱗打ったけど結局終盤生き残ってまた逆鱗や神速で抜きに行けたなんてこともしばしばあります。
問題は逆鱗ロック中に出てきた竜に上から潰される可能性があることですが、実際倒されても相手は逆鱗や流星群を打った後で、それも鉢巻や眼鏡でないとほぼ倒せないので隙が大きいです。
なので竜にカイリューが倒された時は逆に起点を作るチャンスだと思いましょう、その方が読み合いの駆け引きも少なくなり結果勝ちやすい戦いになります。
ちなみに実際は相手に鉢巻がばれても、鉢巻=耐久調整のイメージからかマルスケが潰れていない時はラティやガブはあまり出てきません。
ある型の強さがこの型の強さにも影響してくるのは、環境上位に位置するポケモン特有ですね。
構築の例としては、蜻蛉が使え、上から潰してくるラティに強いハッサム、この型の仮想敵を呼び込めるキノガッサ。
勝てないエンペドランやマンムーパルシェンに強いローブシン、呼び込む鋼を起点に出来るバシャやウルガモスなどですね。
- ダメージ計算
〜与ダメ〜
●逆鱗
H191-B90ウルガモス 確1(109.9%〜129.3%)
H202-B178ヤドラン 確2(52.4%〜62.3%)
H207-B134ブルンゲル確2(68.1%〜80.1%)
H193-B100ギャラドス乱1(97.9%〜115.5%)
同上ギャラ威嚇込み 確2(65.8%〜77.7%)オボン込み確2
H197-B147サンダー 確2(65.4%〜77.6%)
H191-B105サンダー 乱1(94.2%〜111.5%)
H197-B95ニョロトノ 確1(101%〜119.2%)
H212-B124ローブシン確2(72.1%〜84.9%)オボン込み確2
H167-B120シャンデラ中乱1(94%〜111.3%)
H143-B129FCロトム確1(102.7%〜121.6%)
H157-B140FCロトム低乱1(85.9%〜101.9%)
H181-B164ナットレイ高乱3(31.4%〜37.5%)
H187-B155メタグロス超高乱3(32.6%〜38.5%)
H175-B136ハッサム 確3(39.4%〜46.8%)
H198-B126ヒードラン確3(37.8%〜44.4%)残飯2回込み確3
●瓦割
H207-B133バンギラス確1(115.9%〜137.1%)
H181-B164ナットレイ確2(54.1%〜64%)
H198-B126ヒードラン確2(63.6%〜75.7%)
●炎のパンチ
H155-B100キノガッサ確1(101.9%〜120%)
H175-B136ハッサム 確1(132.5%〜157.7%)オッカ込み確2
H181-B164ナットレイ確1(106%〜125.9%)
H192-B80ドリュウズ 確1(102%〜120.8%)
H187-B155メタグロス確2(54.5%〜65.2%)
●神速
H156-B100ラティオス確2(54.4%〜64.1%)
H167-B97ボルトロス 確2(52%〜61.6%)
H125-B133パルシェン確2(50.4%〜60%)殻破後
H151-B115キングドラ乱2(48.3%〜57.6%)
H186-B100マンムー 乱2(45.6%〜53.7%)
H176-B130バンギラス乱1(92%〜109%)
H207-B133バンギラス確2(76.3%〜90.8%)
H187-B155メタグロス確2(72.7%〜86.6%)
H181-B164ナットレイ確3(35.3%〜41.9%)
〜被ダメ〜
※ダメージ計算は表記のあるもの以外すべてマルスケ補正時で計算しています。
●物理
A181テラキオンの鉢巻ストーンエッジ確2(79.6%〜94%)砂ダメ1回耐え
A204バンギラスの鉢巻ストーンエッジ低乱1(90.4%〜106.5%)
A182ガブリアスの珠逆鱗 確2(83.8%〜98.8%)
A200ガブリアスの珠逆鱗 中乱1(91.6%〜108.3%)
A172ガブリアスの鉢巻逆鱗低乱1(91.6%〜107.7%)
A187メタグロスの冷凍パンチ確2(55%〜65.8%)
A187メタグロスのプレートバレパで26.9%〜32.3%マルスケ非込み
A182マンムーの氷の礫乱2(43.1%〜51.4%)天候ダメ+礫で中乱1
●特殊
C158ボルトロスの帯めざ氷確2(50.2%〜60.4%)
C187ウルガモスの1舞珠めざ氷高乱1(96.4%〜113.7%)
C142ニョロトノの冷凍ビーム確2(51.4%〜61%)
C182ラティオスの流星群確2(71.8%〜85%)
C182ラティオスの珠流星群中乱1(93.4%〜110.7%)
基本的に鋼なども逆鱗でゴリゴリ押していくことが多々あるので逆鱗の与ダメは多めにしておきました、等倍でH振りくらいの敵は基本的に確2、鋼もほぼ確3圏内に入っています。
他は最低限しか載せていませんが、増やしてほしい仮想敵等がいる場合はコメント欄にてどうぞ。
耐久は少し心元ないですがASがカツカツなので割り切りましょう。
- 終わりに
AS鉢巻カイリュー、いかがだったでしょうか。
今回のカイリューは補完の意味が強かったので出来るだけ簡潔になるよう努力しましたが、逆に考察不足と判断される個所があった場合はコメントをお願いします。
ぶっぱだけでこれだけの動きが出来るのはさすが600族と言わざるをえないですね。
弱点は上から叩いてくる高火力ポケモンですがそいつらも後続で起点にしてやるといった強気な姿勢が大切です。
陽気AS竜舞カイリューの竜舞消して鉢巻持たせればすぐに作れるのでウロコが余っている人は是非一度試してみてください。
それではこれで考察を終わります、ここまで読んでくださってありがとうございました。